初めての排卵検査薬
妊活して3ヶ月が経った。
また妊娠できなかった…娘の時はできたのに。
そんな思いから、タイミングがズレているかもしれない可能性を考え、排卵検査薬を使い始めた。
排卵検査薬の使い方はそこまで難しいものではなかった。
- 毎日同じ時間帯に検査薬をし、判定線と同等、もしくは濃い線が出たら陽性。
- 陽性になったらタイミングを取り始める。
これで大丈夫。
自分に強い味方ができたように思えた。
でも…そう簡単にいかず、結局排卵検査薬を使ってもそこからさらに3ヶ月妊娠することはなかった。
*確認できていたこと
- 排卵検査薬が陽性になる時期も問題なく、しっかり強陽性も確認できていた。
- とっていたタイミングは陽性になりそうになってから2日おき。
- 排卵はできている。
- 基礎体温も2層になっている。
現時点で考えられる原因はない。
じゃあなんで妊娠しないの…?
ただただ時間だけが過ぎていくのがどうしても嫌だった私は、妊活を始めて半年経った頃、クリニックに行くことを決断。
不妊専門クリニックへの通院を決意
ここで初めて脳内をよぎる『不妊』の文字…
他人事だと思っていたわけではない。
誰にでも可能性はあると思っていた。
思っていたけど、まさか自分が本当に『不妊』だとは思いもしなかった…というのは、よくある話。
まだ半年…クリニックに行けば絶対すんなり授かるだろう。
「これをすれば、あれをすれば、次こそきっと…!」
何度こう思っては、陰性を見てきただろうか。
クリニックへ通いだした最初の頃は希望に満ち溢れていた。
- 病院なんだから、きっと妊娠させてくれる。
- 薬飲んだらきっと簡単に妊娠できるはず。
こんな人任せな私の安易な考えは止まることはなかった。
不妊治療の検査
不妊治療は初めてだったため、東京都からの上限5万円の助成金を使い、検査をすることに。
受けた検査
- 基本的な検査
- 子宮卵管造影
- 精液検査
- フーナーテスト
などの検査を行なったが、どれも良好。
子宮卵管造影の検査は、卵管に特殊な水を通して卵管のつまり具合を見る検査。
これをすることで卵子が通りやすくなり、検査から半年は『ゴールデン期』と呼ばれている。
でもゴールデン期が終わっても妊娠することはなく…
ゴールデン期じゃないのかよ!と、誰かに当たり散らかしたくなった。
こんなに検査しても何も異常ないのに。
「何もなくてよかった」という安心感と同時に、「何もないのに妊娠できない」という解決策のない現実が、どうも辛く思えてしまった。
せめてなにかあればよかったのに。
そんなことさえ思ったこともあった。
「ゴールがない」「解決策がない」
ゴールのないマラソンとはまさにこのこと。
この辛さが誰にわかるだろうか。
経験した人にしかわからない地獄。
不妊治療が、多分一番当てはまるんじゃないだろうか。
不妊治療専門クリニックへの通院が苦痛に
幸せなことに普段からあまり病院へ通院することがなかった人生だった私が、こんなに長く、頻繁に通院したのは初めてのことだった。
先生との相性問題
私が通院するうえで苦痛だったのは、先生との相性。
これは不妊治療に限ったことではないが、やはり不妊治療をしている背景には、妊娠できないという大きな不安が伴うため、どうしても気持ち的に弱っている人が多いはず…
私もその一人だったので、気持ちが弱っている私には先生のドライな対応が少し苦痛に感じてしまった。
*苦痛に感じた点
- 内診する際に声がかなり小さいため、毎回いつ挿入されるか分からず驚く
- どうしたらいいか専門家の意見を聞きたいのに、判断を患者にすべて委ねる
- 話し方にトゲがある
- 知らないの?というような上からな発言
- こちらから質問しない限り何も教えてくれない
- 人工授精、体外受精にステップアップしないことに対しての不満を言われる
- 事情があり他院に受診したことを伝えるといきなり見放された
なんか悪口みたいになってしまいましたが(笑)
当時の私には通院がかなりストレスで、あまりにも言動がひどいため主人に一緒についてきてもらったこともあったほど。
主人も、先生の上からの発言や無責任な態度に呆れ、病院を変えようと提案してきた。
「医師の立場も理解できる」
わかります。
そんな先生はザラにいることも、患者から「先生がああいった、こういった」と言われないように患者に判断を委ねることも、不妊治療専門クリニックに来ているのだからステップアップは当たり前でしょ?という先生の気持ちも。
だからこれは私には合わなかった、というだけ。
でも私は思う。
これって諦めるべきことなの?と。
不妊治療で転院を考えている人へ
話しは変わりますが、私の娘の小児科の先生は患者思いだということが話し方から伝わってくる。
まず症状を聞き、診察し、自分の意見を述べたうえで、母がどうしたいかを聞いてくれる。
抗生物質でないとなかなか完治しない娘の鼻炎も、毎回抗生物質を飲ませるのは抵抗があったが、先生はそこも配慮して、その時の症状や流行っている病気、そして母の負担まで考えて提案してくれる。
こんな先生がたくさんいてくれたら…とうっとりするほど素敵な先生。
やはり病気は『心』が弱くなりやすいもの。
一人ひとり親身になって手を取りながら話を聞けと言っているわけではない。
ただ、妊娠しないというのが子どもを望む人にとってどれほどストレスかということを、同じ女性として、不妊治療をする医師として、考えてほしいとは思ってしまう。
「女性として否定されているような」気持ちにまでなってしまっていた私。
不妊治療専門クリニックなんて、授からずに悩んでいる人が行く場所で、通常のクリニックではなくあえて専門を選んでいるわけで…
だからこそ、自らストレスを溜めに行くのであれば、転院すべきだなと思った。
不妊治療専門のクリニックは少ないのが現実。
私は幸運にも近くにありましたが、中には何時間もかけて通っている人もいるとXで知った。
タイミング法でさえ定期的に通院が必要なのに、体外受精となるとかなりの頻度で通院が必要になることも。
それでも通院する理由はただ一つ…
赤ちゃんが欲しいから。
そのためだけに、心も体もボロボロになりながら、必死でしがみつく。
だからこそ、不妊治療をする全ての人が、前向きであり続けられるような先生に出会えたらいいなと思う。
不妊治療クリニックを転院後の先生から言われたこととは…?
転院を決意した私は、不妊治療も行っている婦人科に通うことにした。
そこの病院の先生は男性の先生でしたが、事情を話し、診てもらうことに。
しかし最初に先生に言われた言葉は、「5回やってだめだったらもう諦めて」ということでした。
うちは不妊治療専門のクリニックではないから…
先生には5回までしか診れないよと言われました。
そんな初めから否定するような言い方をいなくても…と思ったが、でもここでも思うわけです。
「病院変えたから次こそ大丈夫!」と。
しかしかすりもすることなく、その『5回目』はあっという間に来てしまい、私はとうとう頼るべき場所がなくなりました。
本当にあっという間。
かすりもしなかった。
正直、心も荒んでいるため、見放されたように感じた。
何かにしがみついてることほど安心なことはないのだと思う。
夫婦生活への影響
主人は幸いなことに優しく協力的だが、そんな優しい主人に対しても「全てを理解してくれるわけではない」と、ひどい感情を抱いてしまっていた。
まさに「孤独」
病院にも見放され、ストレスが限界に来た私は、とうとう子作りをする行為すら嫌になり、濡れなくなった。
子どもが欲しいのに行為が辛い。
濡れないという事実はもちろん主人にも伝わり、子作り以前の問題に。
今は妊活用のローションなども売っているため、一時期はローションの使用をお願いした。
しかし、当時濡れないのは自分が悪いのかもという主人のプライドも多少あったようで、あまり積極的に使用してくれず…
私から使用を促すのが少し億劫になった。
辛かった、たしかに辛かったのだけど、これに付き合う主人も辛かったんだろうなと思う。
男の人にだってプライドはあるしね。
だからって検査をしないとかは違うだろと思うけど、こういった行為に関してはデリケートな部分になるので、伝え方にすごく注意したのをよく覚えている。
かといって私も、「痛い、したくない、嫌だ」という感情を持ったまま行為をするのも苦しかった。
「シリンジ法」新たな希望
行為が辛いと感じていたとき、「シリンジ法」という妊活スタイルをママリという記事で見つけた。
シリンジ法とは、夫婦のタイミング法の一種で、特に性交痛がある方や、精神的・肉体的な理由で夫婦生活が難しくなってきた方に向いている妊活方法。
簡単に言うと、男性が専用カップに精液を出し、シリンジ(針のない注射器のような器具)で吸い取る。
それを女性が自分で、または相手の助けを借りて膣内に注入するという方法。
病院で行う人工授精とは違い、自宅で気軽にできて、行為をする必要がない。
これならできるかもと思い、ウキウキで主人に提案してみた。
しかし主人の反応は意外なものだった…
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